9月ボランティア活動報告 第一弾

皆さんこんにちは。
先日もお話したとおり9月は連休を利用して宮城県にボランティアに行ってまいりました。
今回は7人、車二台での参加でした。

まずは前半の連休17日~19日の活動報告をいたします。今回の活動場所は牡鹿半島という場所です。よく皆さんが被害状況などをテレビでご覧になるかと思おますが、あれは石巻市内の様子がほとんどです。この牡鹿半島は同じ石巻市ですが市内から車で一時間ほど離れた場所になります。

山と海に囲まれた自然豊かな美しい場所なのでしょう、本来は…
ですが今回はその自然の多さがより一層の大きな被害を生みだしてしまっていました。道中は市内から山道、峠道を走らなくてはならないのですが、至る所が陥没、ひび割れ、土砂崩れを起こしており、運転に慣れていない人や、慣れている人でも本当に気を付けて走らないと大事故を起こしそうな状況です。今は通れますがおそらく震災直後は道路も寸断されたりしたのでしょう。

そのような場所にある牡鹿半島は交通の不便さも加わり、宮城県の中でもかなり復興が遅れている地域でした。また地盤も地震の影響でかなり下がっており、道路の場所によっては冠水したり、波の水が走っている車にかかってくるような所もあります。

まずは牡鹿ボランティアセンターへ向かいました。このような山間部の町は所々に集落があり、その中でも比較的大きな場所に公民館があります。そこがボランティアセンターです。
なんとか悪路の峠道を抜け切ると、いきなり開けた場所に。まず出迎えてくれたのは不自然な場所に放置された漁船、大半の家が流されており基礎だけが残った、大きな集落。その中心にボランティアセンターはありました。

そのボランティアセンターも建物は残っていますが近づく程に被害の大きさも分かります。二階建ての建物ですが、一階は何もない空洞の空間。天井も至る所が崩れかかっており、もちろん電気もありませんので昼間でもうす暗い感じです。

二階にあがると狭い場所に事務机が並べられ、現地のボランティアセンタースタッフが出迎えてくれました。ここが牡鹿ボランティアセンター事務局です。二階には泊まれるスペースもあり、ボランティアに来た方は宿泊もできます。

我々は近くの民宿に宿をとりましたので利用することはありませんでしたが、泊まっている方の話を聞くと、電気は自家発電機により賄い、風呂と水道は仮設のタンクに水を貯め利用するといった感じ。要はライフラインといわれるものが復旧していない状況です。

致し方ない事ですがそんな状況でスタッフの方々も仕事をしているので、なかなか手続きや作業の指示も進みません。これも復興が遅れている一つの原因かもしれません。

さて現地での作業ですがこの回のメインの仕事は、津波により半年間放置されてしまった、田んぼや畑、土地などの整備です。整備とはいっても半年間の間に伸びきってしまった雑草や、その中にまだ埋もれている瓦礫やゴミの除去作業です。

初日は宿泊も予定している民宿の裏に生い茂った雑草の除去。胸の高さ位まで草は生えており、その大半は硬い笹。この時ばかりは雑草や笹の生命力には感服してしまいました。量もありますし笹は根も深くなかなか切れません。ある者はエンジンカッターを使い、ある者は鋸を使い、場合によってはチェーンソーも。これはもはや雑草刈りとかのレベルではありません。荒れ果てた土地の開墾ですね。

もともと一部の場所では野菜も作っていたとのことですから、最初からこうなっていたわけではなく、半年間の間にこのようになってしまします。瓦礫も大量に出てきます。中には誰かの思い出の品のような物も。

二日目は場所を変えてある民家の田んぼ。作業内容は前日とかわりませんが、こちらの方は更に大変です。雑草や笹は身の丈ほどにもなり、敷地も見渡す限りといった所。さすがに全ては出来ませんが、時間の許す限り全力を尽くしました。しかも二日目は天気は雨。晴天の暑さもかなり身体にこたえますが、雨が邪魔をして作業もかなり難航してしまいます。

この田んぼの持ち主はもう津波が来た時点で、稲作の再開を諦めていたそうです。しかしボランティアスタッフの説得と、徐々に元の姿を見せ始めた田んぼの姿に、また頑張る決意をしてくれています。そんな方の気持ちにも応えるべく無心でやっていました。気付くと結構進むもんです。

初日は我々も含め20名ほど。二日目は規模も大きいので30~40名程はいたでしょうか。多くの方々が黙々と作業に打ち込んでいました。

いやぁ~、震災から半年経ちますがまだまだですね。一部の地域ではだいぶ復興も進み徐々に元の姿に戻りつつありますが、牡鹿半島の様に本当にまだ手つかず、といった場所はまだまだ沢山あります。
そしてどこがゴールなのかよりも目の前の事を地道に一つ一つ片付けていくしかありません。これからを考えるのも大切ですが、今のこの状況をどうするか考えるのが先な感じがします。

現地はテレビで観るものよりも、はるか想像を超える状態です。よく「現地はどんな状況なの?」と聞かれますが、言い方悪いですけどイメージとしては、何か大規模な戦争か大きな爆発がこのあたり一帯に起こったのか、という感じでしょうか。
「写真は?」とも聞かれますが、やはり崩壊した町村、家に住む人たちの気持ちを思うと難しいです。
今回も許可をいただいた中で撮影できたものを掲載しておきます。

気になる方は是非一度現地に足を延ばしてみてください。ボランティアに参加されなくても現地には行く事は出来ます。もちろん観光などはまだできませんが、一度この光景を見ると多くの事を考えさせられる事は事実です。

宮城県にボランティアに行ってまいりました

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