9月ボランティア活動報告 第二弾

皆さんこんにちは。
9月ボランティア活動の第二弾の活動報告をいたします。
23日~25日まで再度牡鹿半島にボランティアに行ってきました。前回の連休も行きましたんでだいぶ行き慣れた感はありました。今回は4人で行ってまいりました。
(この間24日は臨時休業とさせていただいておりました。ご来院ご希望の方申し訳ありませんでした)

今回行ってまず驚いたことは先週来た台風により、かなり状況が変わっていました。つい3,4日前に通った道が、通れなかったり、土砂崩れでなんとか通れるくらいだったり。ある程度の被害はあるだろうと覚悟はしていましたが、本当にここまで酷いとは思いませんでした。
まだ地震の影響であちこち地盤も安定しない所に、あの強烈な台風が来てしまってはひとたまりもありません。
ある場所では電柱が倒れかかっていてやっとマイクロバスが通れるくらいのスペースしかなかったり、酷い所は道路が陥没していて道が無くなっていました。その道の先には民家が数件あるのに…
当時現地に滞在していたボランティアスタッフから話を聞いたら、道はほとんどボランティアセンター前の道も川のようになり車も全て高台に避難させたりと大変だったそうです。
置いてある車も「もう何年も乗ってないんじゃないのか?」と思ってしまう位汚れきっていました。
津波を恐れ震災後高台の仮設住宅や建物に避難していた人たちは、今度は高台が土砂崩れで危険なので避難先からまた避難と散々な状態です。

当然地元の民家の方々の被害も尋常ではないです。今回は地震後の復興作業というより、台風被害による復興作業がメインな状態でした。

初日はある民家での作業。家のすぐわきを小川が流れており、普段は静かなんでしょうが台風の時は猛烈に水が流れたようです。家のすぐわきに物置小屋が流されて引っかかっていて、今にも家にツッコミそうな状態。家の前は田んぼの様に泥だらけ、もちろん家の中も泥だらけで、敷地から道路に出る間に巨大な穴が水流により出来あがってしまっていました。
作業内容は引っかかった物置の除去と、外に出れるように泥を取り除き、敷地内の巨大な穴を埋めること。ちょっと業者レベルの仕事です。
この家の担当は我々4人だけだったので、地元の人と合わせて6,7人で手分けして作業を行いました。
一日頑張った結果なんとか物置は解体して安全な場所に移動し、泥も8割方撤去し、巨大な穴も埋め終える事が出来ました。後は家の中の片付けや、解体した物置小屋の処分など残ってますが、とりあえず半分くらいは片付いたのではないかと思います。

本当は次の日もこちらの残りの作業をやりたかったのですが、更に被害が上の民家がありました。そちらはかなり急を要する状態でしたので、指示を受け二日目はそちらの現場に向かいました。

次の民家は新山といわれる場所で、ボランティアセンターから車で15分ほどの所。山間にある集落の一軒です。行きにその場所にたどり着くまで進めば進むほど道や周りの状況が悪くなり、本当にたどり着けるのか不安になる位でした。
たどり着いた先の民家はまた大変な事になっていて、前日の民家の様に台風で泥が流れ込んだのですが、その量が半端ではない!うすい所で10CM、厚い所になると50CM~1M位は積もっていました。元々敷地が広いのでその量も膨大です。家の裏には小川、すぐ横には川が流れており巨大な流木や岩が流れ込んでいました。
この日の作業は極力元に近い状態に戻すこと。人数は我々4人の他に多くのボランティアの方が集まっていて、全部で50人位は周辺にいたでしょうか。
家の前の泥は人数の多さからもあっと言うまに片付いてきましたが、その後それぞれに別々の作業が言い渡されました。
私は家の裏の泥除去と整備。元々家の裏は屋根からの雨水を川に排水するようになっていましたが、大量の泥が流れ込んでそれらが完全に機能しなくなっていました。
しかも作業場所が狭い。人一人動ける位の幅しかなく、足元は田んぼの様にぬかるんでいたため、なかなか作業も思うように進みませんでした。
苦労してなんとか泥をかき出し、途中からは配管工が本職の方も加わり、排水の指示を受けながら元通りとまではいきませんが、ある程度困らないように仕上げる所まで行きつきました。

そして最後は極めつけ。家の裏の小川に人の大きさほどもあろうかという、巨大な岩の除去です。小川の流れを遮ってしまっており、またそこから水があふれ出す可能性がありました。
男10人くらいで動かそうかと思いましたが、いやこれがまた重いどころかビクともしません。小川の中なので足場も悪く力も入りにくいのでしょう。でも狭い場所なので重機を入れる事も期待できませんから、なんとかしておかなければなりません。
身の丈ほどもあるバールや鉄の棒を集めて来て、梃子の原理を利用して再チャレンジ!そうするとわずかずつではありますが、浮き上がりほんの数CM位ずつ動き出しました。
当初の予定ではその大岩を片側の岸に倒す手はずでしたが、とても無理なのでわずかに浮き上がった隙間に石を挟み込んで浮かす事にしました。こうしておけば大岩の下を水が流れ、あふれ出す心配もありません。
まだまだ大雑把にしか片付いてはいませんが、これで少しは元の生活が送れる第一歩に繋がれたのではないかと思います。

今回のメインの作業はこれ位です。この連休はいつもより長めに滞在できたので、多くの作業に協力出来てよかったです。ちょうど連休前に台風が来てので、ひとも集まりやすく復旧作業も進む事が出来ました。これが連休後の台風だったらかなり困ったことになったでしょうね。

津波は沿岸部の家々を襲いました。そして瓦礫の除去も大半が終わり、今後の事を考える所までなんとか行きついてます。
台風はそんな津波被害を逃れた山間部の家々を襲いました。家すら流されてはいませんが、とてもそのまま住めるような状況ではありません。リフォームや中には立て直しも必要でしょうし、状況が震災後の半年前に戻ってしまってる感じです。
低い位置にいれば津波の恐怖、高台にいれば台風、土砂崩れの恐怖。いったいどこが安全な場所なんでしょう?自然の力は恐ろしいです…
地元の人と今回の台風被害について話しましたが「東京も大変だったでしょう?」と言ってくれましたが、確かに大変でした。街路樹が倒れ、交通網がマヒし帰宅できなくなる、首都圏ならではの問題です。しかし帰る家はあります。避難出来る建物もあります。無理して外に出なければ避けられるものばかりです。
現地の状況を見てとても自分たちも大変だったとは恥ずかしくて言えませんでした。

今回は民家の作業が多くプライバシーの問題もあるので写真は撮ってません。作業中はそんな余裕もなかった事も事実ですが。
牡鹿半島に宿泊させていただいた「割烹民宿めぐろ」のご主人と記念撮影をしました。こんな状況にもかかわらず素晴らしい笑顔で答えてくれました。そしてこんな被害があった事も忘れさせてくれるような、素晴らしい自然が実感できる夕焼けの写真を載せておきます。

また次いつ行けるかは未定ですが、少しでも被災地が前進して元の姿に戻れるよう、何回でも力を尽くしたい考えです。

従業員一同

牡鹿半島