原因の分かりにくい腰痛・・・

皆さんこんにちは。

今日は運動の効果向上、運動による故障の防止に役立つ事を書かせていただきます。

本日いらした患者様がちょうどその様なお悩みを持った方です。
この患者様はここ2カ月ほど月2回ほどのペースでごご来院いただいています。

男性 50代 職業フリージャーナリスト
身体を動かす事が好きで草野球チームに熱心に活動をされています。
ピーク時はなんと一日に3~4試合はこなしていたそうです。

今ではそこまではやられないようですが、ここ最近身体が疲れやすくなった事、その影響からか腰の痛みに悩まされてきています。
もちろん腰にはレントゲンなどでは異常は見当たらず、当初は年齢のせいかとも思われていました。
特に朝起床時に痛みが出る事が多く、顔を洗う時など苦労されていたようです。

このように腰事態に問題がない場合、何か別の事が腰に負担をかけてしまっている事が多いです。
原因のほとんどが姿勢の悪さ、身体バランスの悪さから来るものが多く、ご本人もなかなか気付きにくい事です。

この患者様の姿勢は後ろから見ると大きく左肩が下がっており、腰椎(背骨の腰の個所)湾曲の反りが少し大きくなってしまっていました。

まず左肩の下がってしまっている原因は、野球をやられていた方は思い当たることが多いと思います。
肩や肘を一度や二度は痛めてしまった経験のある方も多いでしょう。
この患者様も学生時代肩を痛めてしまい、その肩をかばいながら生活をしてきたため、左肩の下がりが出てきてしまっています。

一見肩だけの問題になってしまいそうですが、この左肩の下がりは骨盤の歪み、腰へ不自然な傾きを作ってしまいます。
肩の痛みは今では問題ないそうなのですが、腰の痛みの原因となっている事は確かです。

二つ目の腰椎の反りですが、元々脊椎(背骨)には「生理的湾曲」と呼ばれるS字のカーブが存在しています。
この湾曲のバランスで身体全体の重みや、動きによる身体の負荷を支えています。


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腰椎の場所は前湾となりますので、反りがあるのはよいのですが、この反りが大きくなってしまうと腰回りの筋肉に体重の負担がかかり腰痛を引き起こしてしまいます。
加えて重心が後ろにかかりやすくなるため、余分な力で踏ん張ろうとし本来使わなくてもよい筋肉にも負担がかかりやすいです。
後ろに重心がかかりやすいので猫背や姿勢の悪さの原因にもなります。


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皆さんもちょっとご自身の脊椎湾曲バランスを調べてみましょう。
ご自宅や職場でも簡単に調べる事が出来ます。
一人では難しいので手伝ってくれる方を用意していただき、お互いに調べてみるといいです。

・調べてもらう側の方は真っ直ぐ立ってもらいます(立つ目の前には何もない状態、もしくは目をつぶるとよいです)
・お手伝いしていただく方は立った人の後ろに立ちます
・後ろに立った方は両手で前に立っている人の両肩に手を添えます
・両肩に添えた手でゆっくりと真下に力を加えていきます(押すタイミングは相手に教えない方がいいです)
・押されている人が加えられた力に身体を支える事が出来れば問題ありません
・身体を支えられず腰が反ってしまったり、後ろに倒れそうになった人は問題あります

このやり方で調べる事が出来ます。
あと仮に支えられたとしても無理に力を入れ力んで支えているのも問題があります。
脊椎の湾曲に問題がなければ押されている本人は力を入れずともしっかりと身体を支える事が出来ます。
これは女性に対して男性が検査をしてもビクともしない位です。

この姿勢が悪くなった状態で通常の生活でも腰に負担がかかりますので、この上に運動などを行えば更に負担が増します。
せっかく身体のためにと運動を行っても、マイナスの要素を引き起こしてしまいます。
腰のバランスも安定しないため余計に力を加えなければならないため、腰以外の筋肉にも疲労感などが蓄積してしまいます。

反面安定した生理的湾曲を作り運動を行えば、負担のかかる筋肉が減るため疲労感の緩和、運動効果の向上にも大きく変化が出てきます。
これは野球だけに限定された事ではありません。
ウォーキングやジョギングを元とする軽運動や各種スポーツなど、そして普段何気なく歩いたり走ったりと通常生活を送る際にも負担はかかりますので治しておかなければならない事です。

そしてこの湾曲バランスを治す上でとても重要な筋肉があります。
それは「大腰筋」と呼ばれる筋肉です。
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この大腰筋は腰の湾曲を正常に作る上で欠かせない筋肉です。

当院では姿勢バランスの崩れから来る様々な症状を改善していく「姿勢矯正」に最も力を入れております。
もちろんこの大腰筋の施術も取り入れております。

ここ最近身体を動かすとやけに疲れる、腰に痛みが出るなどの症状がある方いらっしゃいませんか?
まずは上記にも記載した検査を実施してみてください。
必ずと言ってもいいほど脊椎バランスの崩れが出るはずです。
この状態を放置しておくと本当に腰が悪くなってしまう事もありますので、早めにお越しください。

今ではこの患者様も起床時の痛みもなくなり、野球も問題なく出来るようになっています。
そして今日を最後に今まで当院から5分ほどの距離にお住まいでしたが、近日中に1時間ほどの距離にお引越しをされるそうです。
それでも今までと変わらずにご通院いただけると大変うれしいお言葉をいただきました。
本日も次回2週間後のご予約を取られて帰られました。